昔、アメリカ人に「マンションって言うからどんな巨大な建築物かと思ったよ」と当時、住んで居た3DKのマンションのことで指摘されたことがありました。そのせいではないけれど我が国で定着しているマンションという呼び名を、どうも好きになれません。近頃でも私の英語の先生が「マンショントワタトエバマイケルジャクソンガスムョウナタテモノノコトデース」と日本とアメリカでのマンション事情(?)の違いを解説してくれました。
そういえば日本で分譲の集合住居に「マンション」という名前が一般的になったのはいつ頃からでしょう? はるか昔、私の住んで居た東京オリンピックと同じ年にできたマンションは「コーポ」だったし、今、住んでいる大阪万博と等しい年に建ったアパートは「ハイツ」という名前(しかし年数のたったお気に入り)、でも個人的にはこちらの方がモダンな響きがあると考えています。と言っても一軒家より庶民の高嶺の花だった高級分譲集合住居にもアパートという名前は使われていなかったわけではありません。実は最近、仕事場として使っているのが「アパート」という名前なのだけど東京オリンピック以前の建設物でした(本当に古い建物お気に入り)。しかし、今いうところのマンションは都会の土地の値段が上がり一軒家の買い物を庶民が諦め、家族向けのアパートが続々と建設されはじめた頃から定着していったのでしょう。
土地の有効化といった率で共同保有空間や余裕を持ったスペースが少ないことや均一化されたデザインなど、心地よいで現代的な生活空間を油出するのは結構だけれど、それではデザイン性や建物自体の美しさはどうなっているのだろうと首をかしげてしまうし、たとえ余裕の空間があったりしても彫刻置いて似非ヨーロッパなムードだったり、単に大理石使ったりと寂し過ぎる工夫が沢山されています。こうした思いが私を古くてもモダンな香りのするアパートに住まわせ、街を歩いていて発見したモダンな建築物に魅せられる理由なのかもしれません。
さて、今回訪れた「ビラビアンカ」は明治通りを原宿から新宿に向かって行く途中に突如、現われる超モダンな建設物です。通り沿いにはオーディオ店があり進物自体の入り口は脇道沿いにあるので歩いていると見過ごしてしまうのですが、上を見上げれば1964年に完成した迦物とは思えない新鮮なシルエットに魅了されてしまいます。実は私はコンクリートの打ち放しの壁面とアルミ素材の窓からもっと後の時代の建築物と長い間思い込んでいました。しかし最近になってから建設されたと知ってからは関心が倍増し、中に入ってそのモダンさにいたく感激しました。入り口に設置された保管室はアルミの柱にガラスばりで中が感じる大胆な造り、分厚いアクリル板の受け付けが印象深く、各階の中央に円柱のガラスブロック製の明かとりも強烈な個性を生み出しています。加えて、打ち放しのコンクリート囲いに秘密めいたブラインド、各階の外階段に設置された踊り場、屋上のサンルーム、加えて数部屋には外のベランダ横に突起した円形の浴室が設けられ、昔はメイドさんも居たといったこの建設物の中には現代では絶対に味わえないモダン居間の空気が今でも感じることが出来ました。
最後に一言、この場所2~3年シンプルできれいなフォルムを持つ新築マンションを数件発見しました。新しい感性を持った建築家の活躍に私とても与望しています。